ディズニープリンセスって、誰が一番「強い」か、誰が一番「かわいい」かで語られることが多いですよね。でも今回はちょっと違う切り口で見ていきましょう。ずばりテーマは人気でも好みでもなくアニメの歴史をどれだけ変えたかという「歴史的な重要度」。ではさっそく行きましょう。
第15位 オーロラ(眠れる森の美女)
正直、「重要度」でランキングを作ると、オーロラはどうしても低くなってしまいます。なんせ映画のクライマックスでずっと眠っているプリンセスだから。主体性という点では、歴代最も弱いキャラのひとりと言っていいかもしれません。
ただ、彼女の価値は「何をしたか」じゃなくて「どう見えたか」にあります。『眠れる森の美女』はディズニー史上でも指折りの「映像への投資」をした作品で、中世ヨーロッパ風のビジュアルは数十年にわたって「おとぎ話といえばこういう見た目」という基準を作り上げました。オーロラは眠ったまま、その後のすべてのプリンセス映画の”見た目の型”を作ったのです。そういう意味では貢献度は高いです。
第14位 メリダ(メリダとおそろしの森)
メリダが画期的だったのは、ピクサー初のプリンセスながら「恋愛をゴールにしなかった」こと。それまでのプリンセス映画は「どうロマンスに辿り着くか」が軸でした。メリダの場合、主人公が一番力を注ぐのはお母さんとの関係を修復すること。家族の話で大ヒット映画を作れるというのをプリンセス映画で証明したのはメリダが初めてで、かなり冒険した企画だったと言えますね。
第13位 ラーヤ(ラーヤと龍の王国)
ティアラもドレスもなく、武術・サバイバル・政治的責任を背負った主人公がラーヤ。「プリンセス映画」という概念をここまで破壊したキャラは珍しいです。ラーヤが低い順位なのは、単純に「まだ時間が足りない」からです。2021年の作品なので、文化的な影響が積み上がるのにこれから何年もかかる。将来的にこのランキングを作り直したら、もっと上に来るかもしれません。それでも今のディズニーが向かっている方向を象徴するキャラクターとして、このリストに欠かせない存在です。
第12位 ポカホンタス(ポカホンタス)
今も賛否が絶えないキャラクターです。実在の人物を大幅に美化しているという批判は、1995年当時からずっと続いています。ただ、それでも植民地主義・人種差別・環境破壊というテーマに、アニメーション映画が真剣に向き合おうとした最初のケースでうまくいったかどうかは別としてアニメでここまで重いテーマを扱うという前例を作ったことの意味は大きいでしょう。
第11位 ジャスミン(アラジン)
ジャスミンが登場する前、プリンセスというキャラクターは「男性の主人公の旅の終点にあるご褒美」として描かれることがほとんどでした。ジャスミンはそれを真正面から否定したキャラクターです。
強制結婚に反対し、自分をコントロールしようとする男性たちに堂々と抗議する。『アラジン』というタイトルの作品で”脇役”扱いされながら、実質的にその後のムーランやモアナの道を切り開いたのはジャスミンの存在あってこそです。
第10位 ラプンツェル(塔の上のラプンツェル)
2010年のラプンツェルには、「ここで失敗したらクラシックなおとぎ話は終わり」くらいの重圧がありました。ディズニーは3DCGの時代に移行するなかで、「昔ながらの魔法をどうやって保つか」という難題を抱えていたからです。
それをラプンツェルが見事に解決しました。1990年代のルネッサンス期の空気感を持ちながら、行動力があってユーモアもある現代的なヒロインとして成立させた。彼女が成功しなければ、ディズニーはおとぎ話から撤退していたかもしれません。
第9位 モアナ(モアナと伝説の海)
モアナは恋愛なしでも、プリンセス映画は世界中でヒットできるということを証明した数少ないプリンセス。島を救う使命を果たすために海を越え、ひたすら前へ進む。ロマンスは一切なし。それでも映画は大ヒットし、ファンに愛され続けています。「ハッピーエンドに王子様は必要ない」という事実を興行収入で証明した作品です。
第8位 ティアナ(プリンセスと魔法のキス)
ティアナの夢は「素敵な王子様と結ばれること」じゃありません。自分のレストランを開くことです。複数のバイトを掛け持ちして開業資金を貯める。ディズニー初の黒人プリンセスという文化的な意義は言うまでもありませんが、それ以上に「ハッピーエンド=結婚」という公式を「ハッピーエンド=自分のビジネスを持つこと」に書き換えたことが、ストーリー的に革命でした。幸せの定義をビジネスの成功と表現したのもディズニー映画の中では斬新なことでした。
第7位 アナ(アナと雪の女王)
公式にはプリンセスじゃないと言われたりもしますがアナを除外するのはナンセンスでしょう。アナが歴史的なのは、クライマックスの真実の愛の行動がロマンチックなキスじゃなく、姉への犠牲だったこと。ディズニーがそれまで売り続けてきた一目惚れで結婚というパターンをディズニー自身が笑い飛ばして壊した瞬間でした。その後のディズニー作品の感情的な軸がどう変わったかアナの影響なしには語れませんね。
第6位 エルサ(アナと雪の女王)
エルサはもはや映画のキャラクターというより、ひとつの「文化現象」として語るべき存在です。傷・孤立・制御できない力、それまでのプリンセスが避けてきた暗くて複雑なテーマを正面から描き、世界中で社会現象を引き起こしました。「レット・イット・ゴー~ありのままで~」が流れていない場所を探す方が難しかったあの時代を覚えていますか?「ヒロインは不完全でも、深く傷ついていてもいい」という新しい基準を作ったのがエルサです。
第5位 ベル(美女と野獣)
ベルが登場する前、プリンセスの魅力は「美しさ」と「境遇への耐え方」で語られるものでした。ベルはそこに「知性」を持ち込んだ最初のプリンセスです。
人気者より読書を選び、村一番のイケメン・ガストンをあっさり断る。でもベルの最大の功績は彼女のキャラクターだけではありません。『美女と野獣』はアニメ映画として史上初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされた作品です。それまで「子ども向けコンテンツ」と軽く見られていたアニメーションを映画業界に本物の芸術として認めさせた主役がベルでした。
第4位 ムーラン(ムーラン)
1998年以前のプリンセスに共通するテーマは「逆境に耐える」か「愛を見つける」のどちらかでした。ムーランは、そのどちらでもありません。処刑のリスクを承知で父親の代わりに戦場へ赴き、戦略と機転で強大な敵軍を倒す。ロマンスは存在しますが、あくまで物語の中心ではありません。「女性主人公がハードな戦争アクション映画を引っ張れる」という事実を、ディズニーが世界に示した瞬間でした。
第3位 アリエル(リトル・マーメイド)
アリエルがいなければ、今のディズニー帝国は存在しなかったでしょう。1989年、ディズニーのアニメ部門は存続の瀬戸際にありました。その状況を救ったのが『リトル・マーメイド』です。父親に反対されながらも自分の望む世界へ踏み出し、愛する人を自分の手で救い出す。「救われる側」から「救う側」へ。この転換がブロードウェイ的な音楽と合わさって大ヒットを生み、ディズニーの新たな扉を開きました。
それまでのプリンセスと決定的に違ったのは、アリエルが父親の権威にも、常識にも反して自分のために行動したことです。
第2位 シンデレラ(シンデレラ)
「受け身なプリンセス」の代名詞として語られることの多いシンデレラ。でも1950年という時代背景を知ると、見え方がまったく変わります。
第二次世界大戦後、ウォルト・ディズニー・プロダクションズは事実上の経営危機にありました。制作費の調達もままならない状態で作られた『シンデレラ』は、失敗すればスタジオ閉鎖という社運を賭けた作品だったんです。それが大ヒット。その収益がディズニー自社の映画配給会社を作り、ディズニーランドを建設し、今日のディズニー帝国の土台になりました。王子様を待っていたプリンセスが、文字どおりディズニーという会社を救った。**これがシンデレラの本当の物語です。
第1位 白雪姫(白雪姫と七人のこびと)
正直に言います。「好きなプリンセスランキング」を作ったら、白雪姫が1位になることはありません。後のヒロインたちと比べると、物語も薄いし、主体性もない。でもこのランキングは「好き嫌い」じゃなく「歴史への影響」で決まります。その基準で言えば、白雪姫に並ぶ存在は誰もいないでしょう。1937年当時、長編アニメーション映画という初めての挑戦を成功させたのが白雪姫だからです。「アニメで長編映画を作れる」「感動を伝えられる」「大ヒットできる」これをすべて最初に証明したのが彼女です。このリストに登場するすべてのプリンセス——アリエルも、エルサも、ムーランも白雪姫が意志の力でこじ開けた扉の先に立っています。最高の座は、ジャンルそのものを確立させたキャラクター白雪姫に異論はないんじゃないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?「えっ、あの子がなんでそんな低いの?」と思ったプリンセスもいたんじゃないでしょうか。好みのランキングとは全然違う結果になりましたよね。あなたのナンバーワンは誰ですか?















